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東日本大震災活動レポート

教育支援

見て見て!私の作品! 
得意げな笑顔と夢のオブジェで溢れた「夢つくり隊」

12/10/19

 この夏、日赤と美術館が初めてタッグを組み、岩手県釜石市に楽しいアートのワークショップを遠距離出前しました。その名も「夢つくり隊」です。
 日本赤十字社千葉県支部の呼び掛けに、千葉県立美術館が協力を申し出、釜石市教育委員会が共催、美術教員を目指す千葉大学院生や、成田赤十字看護専門学生も参加するなど、支援の輪は大きく広がりました。諏訪赤十字病院の臨床心理士も加わったこのチームは、復興に取り組む地域の子ども達の笑顔と夢のオブジェを、たくさん作りました。

 8月7日(火)、8日(水)の2日間、夢つくり隊は釜石保育園を皮切りに、甲子学童育成クラブ、大町子育て支援センター、釜石小学校放課後子ども教室の市内4会場をマイクロバスでキャラバンしました。千葉県立美術館で行われているワークショップのメニューから厳選した「虹色パレット缶バッジ」「夢ビルダーカードでオブジェ作り」の2つの創作活動をそれぞれの会場で行いました。
<写真左:もっともっと高く!少年達の希望は膨らむ(甲子学童育成クラブ)>


発見!自分色「虹色パレット缶バッジ」 
 画用紙に水彩絵の具で描画着色したものを、直径54mmの円形に切り抜き、オリジナル缶バッジに加工します。絵の具のにじみやぼかしの技法を駆使しながら、好きな色、模様を描くことで、今の自分を表現しました。
 完成した缶バッジを胸に、「ねえ見て!」と子どもたち。満足げな笑顔が溢れました。
<写真右:自分のオリジナル缶バッジを完成させ大満足(大町子育て支援センター)>

 直径25cm、10cmの 厚紙でできた千葉県立美術館オリジナルの円形カードを自由に組み合わせ、オブジェ作りを楽しみます。子ども達の無限の発想を形にしました。
 夢のビル、壊れない家、戦隊ロボットや架空の昆虫など、子ども達が思いおもいに作成したオブジェが会場をいっぱいにしました。「もっと遊びたい!」という好評に応えて、12,000枚のカードを、同市教育委員会に寄贈しました。
<左写真「おーっ!!」ボランティア大学院生の驚きの技法に口が開いたままの子どもたち>

明るい未来を感じて 
 大津波を目前に、保母さんに抱きかかえられながら生き抜いた保育園児、教えられたとおり果敢に逃げた児童たちも対象にした夢つくり隊。隊員は、津波がもたらした破壊とは対極にある、美術の要素を織り込んだ創作活動で、子ども達と楽しい時間を過ごし、創造する喜びを共感することを心がけました。
 真剣な眼差しで作品づくりに取り組む子ども達の姿に触れ、早期の復興と明るい未来を心から願い、夢つくり隊はそのミッションを終えました。
<写真右:子ども達の夢のオブジェで所狭しのカトリック釜石教会(釜石小学校放課後子ども教室)>