12/06/26
日本赤十字社は、東日本大震災で被災した福島県内7つの小中学校、岩手県陸前高田市に対して、パソコン166台の寄贈とその利用にかかわるネットワークの整備を行いました。
仮設校舎など学校設備が十分でないなか、今年の4月までに、順次、学校教育の場に生かされています。先生方も工夫を凝らしながら指導にあたられ、子どもたちはパソコンソフトを用いた実践授業のほか、ネットコミュニケーションツールとしての活用方法の習得、インターネットを利用した学習、課外活動など積極的に活用の幅が広がっています。
(写真:福島県本宮市立本宮第二中学校の仮設コンピューター室は、日赤からのノートパソコンでびっしり!)
他団体からの支援でパソコン機器を納入済みだった双葉郡富岡町立中学校には、それらをフル活用できるよう、校内LAN刷新工事を実施しました。無線アクセスポイントの設置により、どの教室も配線無しでインターネットへ接続可能になったほか、パソコン本体にウイルス対策セキュリティソフトを導入。有害サイトの閲覧制限もかけ、休み時間や放課後など先生が見ていないときでも、生徒が自由にパソコンを使えるようになりました。
(写真:パソコンで手作りアルバムを作成する福島県双葉郡富岡町立富岡第二中学校3年生教室の昼休みの様子)
また、岩手県陸前高田市では、従来から学校教育の場でパソコンを使った授業を積極的に行っており、これにかかるプログラムやデータなどは、市教育委員会に設置したサーバーを経由する教育ネットワークを構築していました。今回の震災によって、同市内の学校校舎及び教育委員会の庁舎が流失したため、学校と教育委員会間のネットワークを回復させ、パソコンを使った授業を再開しています。指導にあたっている先生は、「震災後に家族との連絡用に携帯電話を持つ生徒が増え、メールがより身近になっているので、正しい使い方を習得しトラブルに会わないよう指導していきたい。」と語っています。(写真:岩手県陸前高田市立気仙中学校でのパソコンを用いた授業の様子)
この支援事業の財源には、世界の赤十字社から寄せられた海外救援金が充てられています。