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東日本大震災活動レポート

教育支援

台湾の子どもたちが被災小学校に歌と踊りのエール
~支援の恩返しを込めて~

12/03/07

 同じ苦しみを受けた子どもたちを応援したい ― 大型台風で被災した経験のある台湾南部、泰武(タイウー)村の小学生17人が、2月28日から3月1日まで、東日本大震災で被災した岩手、宮城の三つの小学校と高齢者施設を訪問。村に古くから伝わる民謡や踊りを披露し、地元の人たちに思いを届けました。

 泰武村が壊滅的被害にあったのは、平成21年8月に発生した台風8号。家屋が倒壊し、道路は寸断、そのうえ深刻な水害にも見舞われ、村ごと安全な地域への避難を余儀なくされました。来日した児童が通う泰武小学校(児童数92人)も4回にわたって移転、23年9月にようやく新校舎で勉強を開始できました。

(写真:伝統的な民族衣装で清らかな歌声を披露)

 日本赤十字社は本災害の支援に6700万円を拠出。台湾赤十字組織の活動支援から住宅再建などの復興事業に至るまで、継続的に携わってきました。泰武小学校の児童は東日本大震災の発生を受けて、「自分たちを支援してくれた日本の人たちの役に立ちたい」という恩返しの気持ちをもち、台湾赤十字組織の事業視察に合わせて来日しました。

 28日の山田町立山田南小学校(岩手県)の訪問では、全校児童260人を前に、民族衣装をまとって歌と太鼓、踊りを交えた12曲を演奏しました。山田南小学校の児童も町の伝統舞踊「虎舞(とらまい)」で歓迎。最後には子どもたち全員が手を取り合い、笑顔で台湾の歌を合唱しました。

 泰武小学校5年生の徐念宗(シュー・ニェンゾン)君は「言葉は通じなくても、日本の友だちと気持ちがつながれた」と笑顔。山田南小学校の佐藤真歩さん(6年生)は、「遠くから来てくれてうれしいです。国は違っても思いは一つ。一緒に頑張っていきたい」と力強く語ってくれました。

 泰武小学校の児童が訪れた被災地では、台湾からのおよそ62億円をはじめ、世界中の赤十字から寄せられた「海外救援金」が復興に役立てられています。日本赤十字社は今後も世界中の思いを結集して、被災した方々の復興を支援する活動を続けていきます。

(写真:国境を超えた子どもたちの交流:大槌合同小学校)