12/01/20
学校から遠く離れた仮設住宅から通学する小学生をサポートするスクールバス6台がこのほど、日本赤十字社から岩手県山田町に寄贈され、1月11日に贈呈式が行われました。
この事業は、海外救援金をもとに取り組まれている教育支援事業「KIDS CROSS Project」(日赤キッズプロジェクト)の一つとして実施されたもの。日赤キッズクロスプロジェクトでは、同町でのスクールバスの運行支援を昨年8月からレンタカーにより行ってきました。しかし、仮設住宅での生活の長期化が想定されることから、今回の寄贈が決まったものです。同町の3つの小学校を対象に3ルートで運行され、通学時間外は高齢者の送迎や行政のイベントなどに幅広く活用される予定です。
(写真)6台のバスが子どもたちの通学の足を確保する。
山田中学校で行われた贈呈式では、同町の沼崎喜一町長が「山田町では、児童の21.3%が震災で仮設住宅に住まわざるを得なくなりました。子どもたちの負担を軽くするため、バスを活用しています」と話しました。日赤岩手県支部の圃田清昭事務局長は「県も町も一歩ずつ復興に向けて進んでいますが、まだ厳しい状況の方々もいらっしゃいます。今後も子どもたちのための環境づくりを支援していきたい」とあいさつしました。バスにはAED(自動体外式除細動器)も常備。AED講習を受けたバスドライバーが運転を担当します。ドライバーの加藤紀彦さんは元トラック運転手です。「孫が小学生。地元の子どもたちのためにも頑張りたい」と意気込みを語っています。
(写真)スクールバスの贈呈式。車体には復興への思いをこめた「KIDS CROSS Project」のラッピングが施された。