11/09/30
「早く早く!バスの時間だよ」。山田南小学校の午後3時半。教室や校庭から、子どもたちがいっせいに駆け出します。やがて正門の近くにスクールバスが到着すると、待ち構えていた子どもたちが列を作って乗り込んで行きました。
岩手県の山田町では、8月19日より日本赤十字社の支援でスクールバスを運行しています。朝夕にそれぞれ3つのルートを設定し、2つの小学校に子供たちを送迎します。3月11日の津波では山田町も甚大な被害を受け、住民の多くが、新たに高台や内陸部に整備された仮設住宅に入居しました。その結果、子どもたちは学校まで歩いて通うことが出来なくなり、保護者が車で送り迎えをするなど、大きな負担になっていました。日本赤十字社は、こうした状況を改善し、子どもたちが安全に学校に通えるよう、スクールバスの運行を支援することにしました。
山田南小学校の佐賀敦子校長は「スクールバスの支援には、本当に感謝しています。学区外に引っ越した子どもたちも、このバスを利用することで転校せずに済みました。保護者からも、安心できると大変喜ばれています」と話しています。
日本赤十字社では、東日本大震災被災地の子どもたちを支援する「KIDS CROSS Project(日赤キッズクロスプロジェクト)」を進めています。この活動は、海外の赤十字社を通じて世界中から寄せられた「海外救援金」によって実施しています。