13/06/28
仮設住宅に入居している高齢者などの口腔ケアのため、「歯科用ポータブル診療ユニット」や「移動用車両」などの引渡し式が6月27日、宮城県仙台市内で行われました。
県沿岸部では震災によって歯科診療所が被災したため、仮設住宅などにお住まいの高齢者や老人福祉施設、障害者施設の入居者が歯科検診を受けることが困難な状況となっていました。このため、宮城県が震災復興推進事業として行う「歯科口腔保健支援事業」を充実・補てんするために、海外救援金を財源として、日赤が(社)宮城県歯科医師会と共同で「移動困難高齢被災者等の長期的口腔管理事業」を実施することに決め、今後、県内の歯科医師や歯科衛生士がこの診療ユニットを携帯して仮設住宅を訪問し、歯科診療を行います。
県歯科医師会館で行われた引渡し式には、佐々木淳・宮城県保健福祉部次長や細谷仁憲・県歯科医師会会長、鈴木隆一・日赤宮城県支部事務局長らが出席。
あいさつした佐々木次長は「ご自身では移動が困難な高齢被災者等に対する誤嚥性肺炎防止対策として、この取り組みに期待しています」、細谷会長は「機器を活用し、災害弱者に対する口腔の健康や歯科疾患の重症化予防に役立てたい」と謝辞を述べ、鈴木事務局長は「歯科診療に行きたくても困難な高齢者や障害者の皆さんに歯の健康を届け、元気にしてあげてほしい」と話しました。
(写真:細谷県歯科医師会会長(左)に目録を贈呈する鈴木日赤県支部事務局長(右))
日赤が今回支援したのは診療ユニット、移動用車両のほか、X線撮影装置、滅菌器、発電機など、総額約5600万円に上ります。仙台や石巻などの県歯科医師会支部に配備され、歯科医師らが仮設住宅などを訪問する予定です。
(写真:寄贈されたポータブルユニット(右)と滅菌器(左))