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東日本大震災活動レポート

生活再建

不安や悩みがポロっと
仮設住宅で「こころのケア」(宮城)

13/02/05

 震災から日が経つにつれ、自宅の再建や公営住宅への入居が決まり、仮設住宅から出ていく人がいる一方、そうした目処がなかなか立たない被災者も。
 震災発生から間もなく2年、仮設住宅でのコミュニティー維持に新たな課題が生まれ始めてきています。こうしたなか、日本赤十字社宮城県支部は、健康相談やリラクゼーションマッサージなど「こころのケア」活動を実施中。入居者同士の近所付き合いのきっかけにもなると好評です。

 1月26日は多賀城市内の仮設住宅で行いました。屋外に設置した赤十字テントでは、塩釜市赤十字奉仕団北部分団数名と赤十字職員が傾聴・コミュ二ティー構築を目的に、多くの皆さんに集まっていただけるよう、温かい飲み物と茶菓を用意しました。今回の茶菓は、たこ焼きと玉こんにゃく。たこ焼きは、赤十字職員とボランティアが一緒になって雪が舞うほどの寒さにも負けず、テントの中で一生懸命つくりました。住民からは「うまい、うまい」と好評。玉こんにゃくも子どもたちが何杯もおかわり。
 一人暮らしの相澤二男さん(75歳)は、「家の両隣りは朝早くから仕事に出ているみたいで、あまり近所付き合いがない。こういうイベントがあると楽しくていいね」と話してくれました。

集会所では、看護奉仕団による血圧測定などの健康相談と、麗人会赤十字奉仕団による「ほっとケア」を実施。おしゃべりをしながら肩や腕を優しくさすり、温かいタオルで顔や手をマッサージするものです。20年近くこのケア方法を普及しているという同奉仕団委員長の大森ゆう子さん。平成23年6月から避難所や仮設住宅を回り始めました。「手のぬくもりを伝えてマッサージしていると、ポロっと気持ちの奥にあることを吐き出してくれます。肌と肌の触れ合いが本当に重要なんだと実感しました」
 今後は常連の方だけでなく、これまで参加されたことのない人に働きかけたいと語る大森さん。「仮設住宅という同じ土台の建物に住んでいても、入居者のこころまで一つになるのは難しい。私たちにできることはお話の傾聴だけですが、人間にはそういう場が、自分を肯定してもらえる時間が大事です。是非いらしてください」と呼びかけています。