12/01/20
福島県郡山市の仮設住宅団地に、木目調の外壁とテラスが目を引く新しい建物が完成しました。原子力発電所事故に伴い川内村から避難している方々のための仮設コミュニティセンターで、日本赤十字社が建設を支援しました。
福島県川内村では、現在もおよそ2千人を超える方々が各地での避難生活を続けており、うち郡山市には最大の約800人が避難しています。長期にわたる村外での生活により、住民同士のつながりや助け合いの風土が失われることが懸念されていました。
そこで、日本赤十字社では、地域交流の拠点となる仮設のコミュニティセンターを提供しました。内部には、託児施設として活用されるキッズルームや図書室のほか、学習室や健康相談室などが設けられ、子どもから高齢者まで、幅広く利用していただけるようになっています。
(写真)キッズルームは、村の託児施設として活用される。
この支援の財源には、福島の人々の生活再建を願うドイツの人々からドイツ赤十字社に寄せられた海外救援金が用いられ、ドイツ連邦共和国大使館や公益財団法人日独協会の協力をいただき、建設を進めて来ました。センターの壁や窓にはドイツ建築のノウハウが取り入れられ、真冬でもわずかな暖房で快適に過ごすことが出来る、環境にも配慮した構造となっています。
また、今後、避難区域の解除などに伴い住民が村に戻る際には、建物を分解して運搬し、現地で再び組み立てられるため、長期にわたって活用することが出来ます。
1月6日に開催された開所式では、遠藤雄幸 川内村長が「川内村の復興のシンボルとして、大切に使っていきます。支援して下さった皆さまへの感謝の気持ちを忘れず、様々な試練に立ち向かって行きたい」と述べました。日本赤十字社では、今後も、被災地のコミュニティ作りを支援する活動を続けて参ります。
(写真)開所式のテープカットの様子