11/07/12
「仮設に入ったら、生活家電が全部そろっていてびっくりしました。すごく役立っています」―4月11日から一家3人で岩手県陸前高田市の仮設住宅で生活する熊谷勇喜さん(74歳)とテル子さん(73歳)。日本赤十字社が海外救援金で実施している家電6点セットの寄贈に、喜びの声を寄せくれました。
(写真:高田第一中学校の校庭に建てられたプレハブの仮設住宅)
◆押し寄せる不安。家電セットが安心の一助に
1960年のチリ地震津波も経験しましたが、今回の津波は規模が全然違いました。8年前に購入した家はもちろん、トマトやキュウリを植えて楽しんできた庭の畑もなくなってしまいました。ただ、年金手帳や保険証など大事なものは、これまでの津波での避難経験から一つの箱にまとめて、いつでも持ち出せるようにしていたのが幸いしました。
仮設住宅への入居が決まっても、心配は尽きませんでした。生活家電などの用意に義援金をすべて使わざるをえないだろうと思っていたからです。ところが、入ってみたら全部そろっていたので本当に驚きました。おかげで義援金は食べ物やほかの生活必需品の購入に充てることができました。本当に感謝しています。
(写真:熊谷勇喜さんと妻のテル子さん)
◆ようやく将来に向けた舵取りできる
いま、やっと将来について考えることができています。仮設住宅に住めるのは2年間という決まりがあるので、それまでに生活を再建して出られればと考えています。
6月初めに義援金の一次配分をいただきましたが、国からの支援金はまだ出ていません。町役場の職員が多数犠牲になったことを考えると、ほかの被災地に比べて支給が遅れていることも仕方のないことかもしれませんね。
仮設住宅のある高台から望めるがれきと化した街なみ。クレーン車が懸命にがれきを除去する様子を眺めながら、熊谷さん夫妻は、焦らず着実な復興を掲げています。