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東日本大震災活動レポート

こころのケア

和歌山の小学生が被災地の児童に寄せ書きでエール

11/04/06

 「私の家は、一階がだれも住めるじょうたいではありません。でも私は、山田町をもとの山田町にもどしたいと思っています。なので東山東小学校のみなさんからのおうえんメッセージがとてもうれしかったです」
 岩手県山田町にある大沢小学校の3年生、熊谷優香さんが和歌山市立東山東(ひがしさんどう)小学校の児童に宛てた手紙です。
青少年赤十字に加盟する東山東小学校は、3月11日の東日本大震災で被害を受けた大沢小学校に応援メッセージを贈ろうと寄せ書きを作成。山田町で診療活動を展開している日本赤十字社和歌山医療センターの救護班によって28日に届けられました。大沢小学校の児童はさっそくお礼の返事を書き、救護班に託しています。優香さんは「ちがう学校の人たちにも元気をもらったので私たちからもちがう学校の人たちにも元気がでる手紙をいっぱいいっぱい書きたいです。これからもずっと、がんばります」と返事を締めくくっています。
(写真:寄せ書きを受け取る大沢小学校の児童には笑みが©Olav Saltbones)

 岩手県山田町は東日本大震災で甚大な津波被害を受けた地域です。大沢小学校は高台にあったことから児童は全員無事だったものの、発災後数日は食料配給も少なく、両親の安否が分からない児童もおり、不安な日々を過ごしました。
 地震発生当時6年生だった蒲野利夏(がまのよりか)さんは卒業式の練習中に地震に襲われました。
 「私が“中学校ではバスケットをがんばりたい”と門出の言葉を練習しているときで、とてもびっくりしました。地震後しばらくはご飯が少なくて、みんなおなかをすかせていたけど、ケンカすることなく下級生に分けていました。“がんばろうね”“大丈夫だよ”と声を掛け合えるみんなが心のよりどころでした」と振り返ります。
 利夏さんの家も1階は津波で流され、2階部分は本来の場所から約100メートル離れたところで見つかりました。利夏さんは「大人たちが家もお金も失って元気をなくしているから、子どもから笑顔を見せて、明るい大沢を取り戻したい」と話しています。
(写真:右上が家の2階部分。利夏さんの部屋がありました©Olav Saltbones)