11/08/12
岩手県陸前高田市立第一中学校に設置されていた日本赤十字社の仮設救護所が7月29日、閉所式を迎えました。同中学校に避難する住民らが見守るなか、あいさつした救護班は「救護所は撤収しますが、日赤は引き続き復興に向けた支援に取り組んでいきます」と伝えました。
岩手県内で最大の被害に見舞われたのが陸前高田市です。発災当日に駆けつけた日赤救護班は、第一中学校の避難所内に救護所を開設し、多い日には1日200人を診察。地震と津波で慢性疾患の薬をなくした方が多くいたため、盛岡市からの調達に奔走するなど、被災者の健康維持に努めてきました。6月24日以降は救護所を校庭に建てられたプレハブに移し、近隣住民の一次医療の担い手に。このたびの閉所は、県立高田病院の仮設診療所の完成などを受けて、地域医療を地元の医療機関に引き継げるとの判断に基づくものです。
閉所式には戸羽太市長も訪れ、「発災直後は何がなんだかわからないパニック状態。そんな時にいち早く駆けつけ、長きにわたって全力を尽くしてくれた」と救護班の活動に感謝。そのうえで、「皆さんが去られることを平穏に近づいている兆しと捉え、市民一丸となってがんばっていきたい」と決意を述べました。
救護班が体育館から退場する際には、住民によるアーチが作られ、「お疲れ様でした」「お世話になりました」などの声が拍手とともに寄せられました。住民の一人は「震災直後から、体調を崩した息子を何度となく診てもらった。避難所のすぐ近くに救護所があるのはすごく心強かったので、なくなるのは少しさみしい。でも感謝の気持ちで見送りたい」と語りました。
(写真:陸前高田市立第一中学校の生徒からも感謝の言葉が贈られた)