11/05/07
避難所には高血圧や糖尿病など慢性疾患を持つ方も生活しています。宮城県石巻市で結成された「メロンパンチーム」は、そうした方々に石巻赤十字病院で調剤された薬を配達する移動薬局。メロンパンを販売する移動式パン屋のように人々に喜びを届けたいと、毎日市内の避難所を巡回しています。(写真:笑顔がなによりの薬です)
チームは、運転士(病院職員)と3、4人の薬剤師で構成され、薬の配達だけでなく、服薬指導や避難所の衛生環境などの情報収集、他の医療機関への引継ぎに欠かせない「おくすり手帳」の作成などを行います。事務的に薬を手渡すだけでなく、被災者の気持ちを明るくし、元気を与えられるような会話も心がけているのが特徴。毎日2チームが活動し、4月26日現在、避難所を訪問した回数は1400回に上ります。
4月26日は、岩淵薬剤師(石巻赤十字病院)のチームが6カ所の避難所を訪問しました。薬を受け取った国分あや子さんは「お話できることでストレス発散になります」と明るい笑顔。櫻井君雄さんは「おくすり手帳を被災後初めて作ってもらいました」と喜びを見せました。
岩淵薬剤師は「薬剤師として、医療人として、そして人間として何ができるか。こういう場所でなければ経験できないことはとても多いです」とやりがいを語っています。