13/10/31
「美味しい!」「焼きたてのサンマは最高!」--宮城県女川町で9月22日、「おながわ秋刀魚収穫祭」が開かれ、無料で振る舞われた5000匹の焼きたてサンマに大勢の人たちが舌鼓を打ちました。サンマの煙が香る会場には献血コーナーも設けられ、この日だけで約200人が協力しました。
おながわ秋刀魚収穫祭は、同祭実行委員会(女川町商工会など)の主催。全国から7~10万人の観光客が集った震災前にはおよびませんが、今年も県内外からの3万人近い来場者で会場はいっぱいになりました。
来場者のお目当ては、目の前で焼かれるサンマの焼き。長さ15メートルにもなる焼き台の上に、ずらりと並べられたサンマが次々に焼き上がるごとに、会場に笑顔が広がります。
スタッフの一人は「朝からずっと焼いてるよ。煙で目が開かない!」と立ち上る煙に顔をしかめながらも、復興への手応えを感じている様子でした。
(写真:一昨年、昨年は3000匹のサンマの塩焼きが振る舞われましたが、今年は5000匹が午後の早い時間に無くなるほどの大盛況。来年は浜辺の会場での開催を予定)
笑顔で人助けを
会場の献血コーナーでは、地元の女川ライオンズクラブが、献血者全員にサンマ10匹をプレゼント! 続々と訪れる献血協力者の対応に職員からはうれしい悲鳴が上がりました。
塩釜市から親子三代4人で収穫祭にかけつけた岩金さん・佐藤さん一家は「普段はなかなか献血ルームに行く時間がないから、こうした会場に献血バスが来てくれるとありがたいですね」と3人が献血に協力。
(写真:「子どもは親の姿を見て育つので、できるだけ献血する姿も見せておきたい」と佐藤智香さん。娘の未来ちゃんも一緒に献血バスに)
震災前からこの収穫祭で献血を主催する女川ライオンズクラブの加藤忠雄会長は、自宅と会社を津波被害で失い、今も仮設住宅での暮らしが続いています。「やっぱり将来への不安はある。でも、震災に遭ったからと暗い顔をしているより、笑顔で積極的に人助けに参加していかないと、復興は進まない」と力強く語りました。
(写真:水道設備の会社を営む加藤会長。「来年は献血した人に3000匹は持っていってもらいたいね」と笑顔)