国際人道法Q&A

国際人道法は必要なのか?
国際人道法は、戦争がおこった時に犠牲者を保護するものです。戦争は国連憲章で禁止されていますが、現実には戦争は世界各地で起こっており、傷つく人びとがいます。そのような現実の中で、犠牲者の苦痛を少しでも軽減するために国際人道法が必要なのです。
国際人道法と人権法の違いは何ですか?
国際人道法も人権法も目的は人間の生命や尊厳の保護にありますが、次のとおり区分されます。
【国際人道法】
成立:19世紀半ば、赤十字の呼びかけで成立
適用のとき:武力紛争時
内容:戦時における戦闘の手段と方法の規制と戦闘員や文民の保護を規定している。
【人権法】
成立:第二次世界大戦後、国連主導で成立
運用の時:平時
内容:個人の国家権力からの自由と保護を規定している。
国際人道法に違反すると処罰されますか?
国際人道法に違反する行為を「戦争犯罪」と呼び、ジュネーブ諸条約は戦争犯罪人を罰するよう、条約の締約国に求めています。しかし、これまでは、戦争犯罪人が罰せられることはほとんどありませんでした。そこで、1998年、戦争犯罪人を処罰する常設の裁判所を設置する条約(「国際刑事裁判所設置に関するローマ規程」)が結ばれ、2002年にはこの条約が発効し、常設の裁判所が設置されることとなりました。
なぜ、1977年の「追加議定書」を「追加条約」と呼ばないのですか?
国と国の約束事を「条約」と呼びますが、「条約」という用語を使わず、「議定書」、「憲章」、「規約」という用語でも「条約」と同じ意味を持ちます。「議定書」は「条約」に追加・変更する事柄に使われる傾向にあり、1977年および2005年の追加議定書もこのようなことがらの一つです。
なぜ、日本はジュネーブ四条約に「加入」した、というのでしょうか?
通常、国が条約に入るためには、まず、条約に「署名」して、その後にその国の国家元首や議会が条約に同意=「批准」しなくてはなりません。しかし、何かの理由で条約に「署名」しなくても、その条約に同意をすることができます。そして、そのような同意を「加入」と呼びます。日本は1949年に連合国の占領下にあったため、ジュネーブ四条約に「署名」することはできず、1953年、同条約に「加入」することとなりました。