国際赤十字の成り立ち

アンリー・デュナン

スイスの実業家アンリー・デュナンは1859年、イタリア統一戦争の激戦地ソルフェリーノで悲惨なありさまを目の当たりにしました。デュナンは放置されていた負傷者の救護活動にあたりました。

「傷ついた兵士はもはや兵士ではない、人間である。人間同士としてその尊い生命は救われなければならない」

ジュネーブに戻ったデュナンは、この時の様子を「ソルフェリーノの思い出」として著し、国際的な救護団体の必要性を訴えました。本書はヨーロッパ各国で大きな反響を呼び、1864年にはジュネーブ条約が調印され、国際赤十字組織が誕生しました。

赤十字のおこり/アンリー・デュナン

The story of an idea~赤十字誕生物語~(PDF:6.4MB)

国際赤十字のしくみ

国際赤十字を支える機関

赤十字は世界中で戦争・紛争犠牲者の救援をはじめ、災害被災者の救援、医療・保健・社会福祉事業などを行っています。

こうした活動は、赤十字国際委員会、国際赤十字・赤新月社連盟、各国の赤十字・赤新月社の3つの機関が、それぞれに役割を持って、互いに協力しながら行っており、これらを総称して「国際赤十字・赤新月運動」と呼びます。

赤十字のルーツは、1859年にイタリア統一戦争の激戦地ソルフェリーノで負傷者を中立的に救護したアンリー・デュナンにさかのぼり、1863年にスイスのジュネーブに結成された「五人委員会」を前身とします。

1864年に初めて締結され「国際人道法」とも呼ばれるジュネーブ諸条約の中には、戦争や紛争が起きた時の政府や赤十字の役割、赤十字標章の保護の規定などが定められており、赤十字の活動の基盤となっています。

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赤十字・赤新月国際会議

赤十字・赤新月国際会議は、原則として4年ごとに開催される国際赤十字・赤新月運動の最高決議機関で、赤十字国際委員会、国際赤十字・赤新月社連盟、各国の赤十字社・赤新月社に加えて、ジュネーブ諸条約締約国政府の代表が参加します。会議では、各種の人道的な課題の討議や、ジュネーブ諸条約その他条約の制定に向けての提言などを行っています。