国際赤十字を支える機関
赤十字国際委員会(ICRC)
赤十字国際委員会は1863年の創設以来、国際人道法に基づき、戦争、内戦または国内騒乱の犠牲者に対して人道的支援を行っています。スイスのジュネーブに本部を置いて世界中で活動しています。
主な任務
- 戦争、内戦、国内騒乱の際に、中立機関として犠牲者の保護と救援にあたること
- 敵に捕らえられた兵士が非人道的な扱いを受けることのないよう、捕虜や抑留者を訪問し、調査すること
- 紛争などで離れ離れになった家族の安否調査を行うこと
- 国際人道法を広め、守られるようにすること
- 新しく創設された赤十字・赤新月社の承認を行うこと
国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC、連盟)
国際赤十字・赤新月社連盟は、各国の赤十字社・赤新月社の国際的な連合体であり、スイスのジュネーブに事務局と世界60カ所以上に代表部を置いている、独立した人道機関です。
第1次大戦終了後の1919年2月、各国の赤十字社を国際連盟に匹敵する組織に連合するべく、アメリカ、イギリス、フランス、イタリアそして日本の5カ国の赤十字社代表が五社委員会を結成、協議をしました。同年5月には、各国赤十字社の国際的連合体として赤十字社連盟が設立されました。その後、名称を国際赤十字・赤新月社連盟と改称し、今日に至っています。
主な任務
- 災害の被災者に対する救援活動を行うこと
- 将来の災害に備え、リスクを抑えるための活動を行うこと
- 感染症対策をはじめ、保健・衛生上の問題に取り組み健康の増進を図ること
- さまざまな人道問題についての関心を喚起すること
- これらの活動を実施する各国赤十字社間の調整を行うこと
- 各国赤十字・赤新月社の人道的な活動を支援・推進すること
- 各国赤十字・赤新月社の設立・発展を促進すること
各国赤十字・赤新月社
世界の赤十字社・赤新月社は現在、191の国と地域に広がっています。各国の赤十字社・赤新月社は「命と健康を守る」「苦痛を軽減する」「人間の尊厳を守る」という目的のために幅広い活動を行っています。
各国の赤十字・赤新月社は、それぞれの国の中で人道的活動を行う一方で、大規模な災害が発生した際などには、国境を越えてお互いの活動を支援する責任を持っています。
主な任務
- 災害現場での救護活動や、災害に備えた活動を行うこと
- 健康な生活をおくるための保健衛生や救急法の普及をすること
- 安全な輸血用血液を確保するための献血者を募集することを中心とした血液事業
- 地域社会(コミュニティー)の生活をより良いものにするための社会福祉活動をすること
- 災害に備えて医師や看護師を訓練し、地域医療にも貢献する医療活動をすること
- 赤十字の活動に賛同する方がたによるボランティア活動とボランティアの養成を行うこと
- 赤十字の精神を、次世代を担う青少年に伝えるための青少年赤十字活動を促進すること
- 赤十字の基本原則や国際人道法を広めること