【献血連載】ドナーの視点に立ち心を通わす情報発信 献血ハートフルストーリー vol.4

関東甲信越ブロック
血液センター
所長
室井 一男さん

 私は、血液センター所長として安全な血液製剤を造るための検査や製造過程を管理する業務を統括しています。日赤に入職する前は、病床数が1000以上ある病院の血液科で医師として移植に携わっていました。移植医療は、ドナーがいて成り立つものであり、患者はもちろん、「ドナー視点」に立った啓発が重要です。現在の献血の課題にも、それは当てはまります。例えば、若年層(10代~30代)の献血者の減少と高校献血の地域差。高校生から献血を始めた方は20代、30代になっても繰り返し協力してくださる傾向があると分かっていますが、若年層獲得に有効な高校献血が行われていない地域があるのです。これは、教職員の方が持たれている高校生の健康不安が背景にあり、教職員・高校生本人という「ドナー視点」で不安を取り除き、高校生が献血によって自分の健康状態を知る機会にもなることを発信していきたいと考えています。
 また、患者とドナーの心のつながりを生む取り組みにも力を入れています。日赤は全国に6つある公的臍帯血バンクのうち、4バンクを運営し、その一つが私たち関東甲信越ブロック血液センター内にありますが、2021年4月から全国で初めて、臍帯血バンクの「患者さんからのお手紙」取り次ぎ事業を始めました。匿名の手紙のやり取りを通して、救われた側、救った側それぞれに温かい気持ちが育まれます。センターで働く職員も同じ思いを持っていて、それが形になったのが、職員の応募から生まれたキャラクター「つむぎちゃん」です。「関東甲信越さい帯血バンク」の情報発信には、職員が描いたつむぎちゃんが登場し、移植を支える人の温もりを伝えます。これらの一つ一つの取り組みが、献血や移植医療に対する人々の気持ちを後押ししていくことを願っています。

関東甲信越さい帯血バンクのキャラクター「つむぎちゃん」