(速報)レバノン首都ベイルートでの大規模爆発災害

パレスチナ赤新月社のスタッフたち 負傷者の救助活動に取り組むパレスチナ赤新月社のスタッフたち(白とオレンジのベスト)©パレスチナ赤新月社レバノン支部

地図

現地時間の8月4日午後6時(日本時間5日午前0時)、地中海に面するレバノンの首都ベイルートで突然大地を揺るがす大規模な爆発が発生しました。場所は街のダウンタウンも近い人口密集地に位置する港湾エリアでした。(右図:©ICRC)

被害状況一覧(8月6日時点)※レバノン保健省等参照
死者数 135人以上
負傷者数 5,000人以上
行方不明者数 100人以上
避難者数 およそ30万人
被害範囲 市内全域、市郊外にも影響

爆発発生直後から、レバノン赤十字社(以下、レバノン赤)は、375人のスタッフ・ボランティアからなる救護チームと、計75台の救急車を現場に派遣し、現在でも負傷者の救助活動及び救急搬送が行われています。市内中心部など2か所には、応急手当・トリアージのための救護所を立ち上げ、中軽傷者の応急手当にあたっています。被災者へのこころのケアや家族の安否確認のサポートも実施しています。ベイルート市内の病院はすぐに負傷者で満杯となったため、郊外の病院への搬送まで範囲を広げており、また全国各地から救援のための赤十字スタッフ・ボランティアが応援に駆けつけています。

レバノン赤のみならず、現場ではパレスチナ赤新月社レバノン支部(以下、パレスチナ赤)のスタッフたちもレバノン赤と協力して救助活動にあたっています。また、パレスチナ赤が運営する病院で負傷者の治療も行っています。レバノンには50万人近いパレスチナ難民が居住しており、パレスチナ赤は普段難民キャンプでの医療サービス提供などを行っています。

レバノン政府は翌日に緊急会議を行い、今後2週間の緊急事態宣言を発令、軍による災害管理体制を敷きました。この爆発災害による被害総額は150億ドルにも上ると言われます。

負傷者を救急搬送するレバノン赤ボランティア 負傷者を救急搬送するレバノン赤ボランティア©Nabil Mounzer_EPA

レバノンでは、昨年10月から政治改革を求める大規模デモが断続して発生しており、今年2月にはレバノンで史上初めてのデフォルト(債務不履行)に至る経済・財政破綻をし、レバノン通貨は5倍、6月時点での物価上昇率は90%に達する等、人びとの生活に多大な混乱が生じていました。

さらに、今年2月にレバノンでも最初の新型コロナウイルスの感染者が見つかって以降、特に7月中旬以降に1日の感染者が200人に達する等、感染拡大の傾向が見られていました。今回の爆発災害は、そのような社会の混乱の渦中に発生した大事故であり、今後の復興や社会不安への影響は計り知れません。

日本赤十字社(以下、日赤)は、発災直後から、現地と緊密に連携し、情報収集・調整を行っております。日赤は、2015年からレバノンに日赤中東代表部を設置しており、レバノン赤、パレスチナ赤と協働してシリア難民やパレスチナ難民、地元コミュニティに対する支援活動に取り組んでいます。今後、国際赤十字はじめレバノン赤、パレスチナ赤と協力し、必要な支援を届けていきます。レバノンの被災者支援のため、皆様のご協力を何卒よろしくお願い致します。

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大規模爆発によって被災された方の救援及び

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