臨床看護の質改善に貢献! 日本“初”の「クリニカル・ナース・リーダー」にインタビュー

 アメリカ看護大学協会が2007年に導入した新しい高度臨床看護実践の認定制度であるクリニカル・ナース・リーダー(以下、「CNL」)に、小川赤十字病院(埼玉県比企郡小川町)の木島明美看護部長が今年8月に日本で初めて認定されました。

 CNLは医療看護サービスのプロセスや質の改善、医療サービスが提供されるベッドサイドで、ケアのコーディネートや多職種の医療スタッフとケアの調整をリードし、エビデンスに基づくケアの実践を促進するジェネラリストとしての役割を担っています。

 CNLを臨床現場に導入することで、患者の症状などの改善や看護実践の方法やチーム医療の促進が図られ、看護職の職務満足度の向上や離職率の減少など職場環境改善につながるとともに、医療事故の減少、医療コストの削減など多方面にわたる効果が期待されます。

 今回、木島看護部長にCNL認定試験合格にあたって、受験のいきさつや今後の意気込みなどについてインタビューしました。

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日本初のCNLになった小川赤十字病院の木島看護部長

―なぜ、CNLを受講(受験)しようと思ったのですか。

(木島看護部長)受講にあたっては、CNLがベッドサイドで「看護実践を徹底して何かを変える」ということに特化した役割であるというところに魅力を感じ、受講してみたいと思いました。受験については、CNLの養成研修を受け、CNLという役割を導入することができれば、日本の臨床を看護が変えていくことができるのではないかと感じたので、推進していくためには資格を取りたいと思い、受験しました。

―CNL認定試験は英語であること、またアメリカの医療制度の知識も必要であることなど、日本からの受験者にとってはかなり難しいと聞いています。認定試験に臨むにあたってどのような対策をしましたか。

(木島看護部長)受験勉強については、英語でなければどんなに楽に勉強できるだろうと思いながら取り組みました。また、設問がアメリカの医療に関するものもあるので、分からないことは「CNL指導者養成研修」(※)の講師である筑波大学の竹熊先生や聖アンソニー看護大学の角田みなみ先生に質問させていただきました。テキストは何回も読むようにして、問題集の問題も何度も解いて理解するように努めました。本当に英語でなければいいのに、と何度も思いましたが、試験勉強を進める中で理論等を改めて学ぶことができ、今行っている管理業務にも役立つもので、今までモヤッとしていたことが頭の中ですっきり整理できたと思います。自分の中で芯ができたように感じました。

―日本で初めて認定試験に合格し、CNLになったお気持ちをお聞かせください。

(木島看護部長)CNL試験に合格したものとして、今後の皆さんの合格にお役に立ちたいという気持ちです。一人で何かを進めるのは、すごく難しいし、なるべく多くの仲間が必要と感じています。

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今年度のCNL指導者養成研修は、現職の看護師や看護教員、大学院生など35名が受講した

―CNLとして、木島看護部長が今後取り組もうと思っていることは何ですか。

(木島看護部長)臨床の看護実践を一つずつ変えていく必要があると感じています。勤務する小川赤十字病院でも取り組むべき課題が多くあり、竹熊先生や仲間の力をお借りしながら、その課題解決ができればと思っています。そのことによりCNLが臨床を変えていくために必要であるということを少しずつ理解していただければと思います。

―これから CNLの研修受講や認定試験の受験を考えている看護師のみなさんにメッセージをお願いします。

(木島看護部長)受験するときには、勢いが必要だと思います。何点で合格したのかは分かりませんが、受験する時は満点を取るくらいの気持ちで臨みました。試験が英語なので、私自身何度も嫌気がさし、いったい何しているのだろうかと目標を見失うときもありましたが、最終的には、テキストも始めたころと比べるとかなり早く読めるようになり、英語に慣れてきたと実感することができました。日本でCNLの受験ができるのは関係する方々のご尽力によるものなので、多くの方が合格されて一緒に活動ができると嬉しいです。初志貫徹を期待しています。

(※)「CNL指導者養成研修」:2015年にアメリカからCNL資格を有する竹熊カツマタ麻子氏(現・筑波大学教授)、角田みなみ氏(現・聖アンソニー看護大学講師)、デイナ・ダーモディ氏(現・ワシントン州立大学教授)3名を招聘し、日本赤十字九州国際看護大学にて初めて開催。2016年には日本赤十字社が、2017年には日本赤十字社と日本赤十字看護大学が主催し、3年間で延べ90名が受講しています。