搬送

傷病者を動かしたり、運んだりすることは、どんな場合にもある程度の危険を伴います。どんなに慎重に運んでも、必ず動揺を与えることになるからです。

傷病者の搬送は、非常に重要です。搬送の方法を誤って悪い結果にならないように、現場の状況や環境(協力者・資材の有無)、傷病者の状態(反応(意識)の有無)・負傷部位などを把握して正しい方法を選択することが必要です。

準備

  • 傷病者に対する手当は完了したか
  • 傷病者をどんな体位で運ぶか
  • 保温は適切か
  • 担架(応用担架)は安全・適切に作られているか
  • 人数と役割はよいか
  • 搬送先と経路は決まったか、それは安全な経路か

一人で運ぶ方法

抱いて運ぶ

傷病者がこどもや体重の軽い人であれば、抱きかかえて運ぶこともできます。

ただし、骨折をしている傷病者をこの方法で運んではいけません。

背負って運ぶ

両膝を引き寄せて抱え込み、傷病者の手首をつかみます。

後ろから運ぶ

反応(意識)のない傷病者などを、とりあえず危険な場所から安全な場所へ移すときに役立ちます。

傷病者の足を重ね、頭側から肩の下に手の平を上にして手を入れ上体を起こし、両わきの下から手を入れて、傷病者の臀部を床から上げるようにして引っ張ります。

二人で運ぶ方法

両脇について運ぶ

重症者でなく、2人の救助者の首に自分でつかまることのできる傷病者に用います。

救助者は頭側の手で傷病者の背中を支え、他方の手を傷病者の膝の後ろに回してお互いに手首を握り合い、持ち上げます。

前後について運ぶ

1人が傷病者の背中に回り、わきの下から手を入れ前腕をつかみ、もう1人が傷病者の足を重ねて抱え、傷病者の上体側から立ち上がります。

三人で運ぶ方法

両側について運ぶ

傷病者を上向き、または必要があれば下向きにして運ぶことができます。

片側に2人、反対側に1人ついて、傷病者の足の方の膝をついて、手の平を上にして傷病者の体の下に手を入れます。

頭側の救助者の合図によって、傷病者を膝にのせ、手首を握り合って、「立て」の合図で立ち上がり、傷病者の足の方向へ進みます。