骨折
骨折にはいろいろな分類があります。非開放骨折と開放骨折とがあり、骨が完全に折れている完全骨折と、ひびが入っている程度の不完全骨折とに分けることもできます。少しでも骨折が疑われるときは骨折の手当を行います。
非開放骨折
骨折部の皮膚にきずがない、あるいは骨折部が体の表面のきずと直接つながっていない状態の骨折です。
手当
- 全身および患部を安静にします。
- 患部を固定します(骨折した手足の末梢を観察できるように、手袋や靴、靴下などを予め脱がせておきます)。
- 骨折部が屈曲している場合、無理に正常位に戻そうとすると、鋭利な骨折端が神経、血管などを傷つける恐れがあるので、そのままの状態で固定します。
- 固定後は、傷病者の最も楽な体位にします。腫れを防ぐために、できれば患部を高くします。
- 全身を毛布などで包み、保温します。
開放骨折
骨折部が体の表面のきずと直接つながっています。
外からのきずだけでなく、骨折した骨の端が内部から皮膚を破って外に出ていることがあります。また、誤った手当や搬送によって、二次的に起こることもあります。
開放骨折は、「神経・血管・筋肉などの損傷がひどい」「出血が多量」「骨折部が汚れやすく感染の危険が高い」などの危険性があり、これらは骨折の治癒を長引かせ、化膿したり関節が動きにくくなったりするほか、上肢・下肢の切断を余儀なくされることもあります。
手当
- 非開放骨折の手当と同じですが、特に次のことに注意します。
- 全身を布などで包み、保護します。
- 出血を止め、きずの手当をしてから固定します。
- 骨折端を元に戻そうとしてはいけません。
- 患部を締めつけそうな衣類は脱がせるか、きずの部分まで切り広げます。