防災教育
青少年赤十字の防災教育
未来を担う子どもたちは、将来起こりうる自然災害に対しての正しい知識を持ち、自ら考えて判断し、危険から身を守る行動をとる必要があります。
青少年赤十字の特徴的な手法である「気づき、考え、実行する」という態度目標を用いた日本赤十字社(以下、日赤)の防災教育は、「人道」の取り組みです。
日赤の防災教育は、子どもたちが主体的に取り組み、知識と行動力を身につけることができるだけでなく、他者への思いやりや優しさ、いのちの大切さを学び取る力を育むことができます。
日赤は、青少年赤十字の防災教育を通じて、青少年の健康と安全を守り、学校や地域、家族での防災意識の向上を目指します。
「ぼうさいまちがいさがし きけんはっけん!」(幼稚園・保育所向け)
間違い探しを楽しみながら学習指導要領・幼稚園教育要領に定められた防災分野での高い学習効果を実現する教材を目指しました。
≪特徴≫
(1)気づき 考え 実行する
先生から単に教わるのではなく、他の園児とともに話し合いながら、自ら「きけん」について「はっけん」し、どのような行動をとるべきか考えることができます。今までは受動的に守られる存在でしたが、これからは園児も積極的に行動することが可能になります。
(2)災害時にとる行動の結果までわかる
これまで、災害時にどのような行動をとるか(頭を守る、しゃがむ、など)を園児と一緒に行うことで学ぶものはありましたが、本教材は間違った行動をするとどうなるか、「なぜ」その行動をとるのかというところまで学ぶことができます。
(3)日常のモノや人から危険の察知ができる
普段の生活の中に潜む危険なモノや人の行動を学び、災害時にとるべき行動を学ぶことができます。
(4)解説書付きで簡単
簡潔に書かれた解説書を一度読めば、簡単に誰でも教材を使うことが出来ます。また、シーンごとにアレンジしやすい教材になっています。
(5)園で行う防災教育に取り込みやすい
元々園で行っている防災訓練等の内容に、簡単に付け加えることができます。例えば、園庭に避難する前に、「じしん」のテーマを展開し、「なぜ」その行動をとるのかというところまで深く学ぶことができます。
(6)園児にも親しみやすい絵
写真や動画ではなく、イラスト形式です。一人ひとりの表情が豊かに表現されている他、園児が喜ぶよう遊びごころのあるイラストを織り交ぜ、かわいく親しみやすい絵が描かれており、興味を引きつけながら楽しみながら防災を学ぶことができます。
(7)様々なシーン別
園の教室の中、園庭、普段のまちや、様々な災害など、地域の環境に応じて学びたい部分を6テーマから選ぶことができます。
(8)繰り返し学べる
一枚の絵の中に色々な子どもたちが描かれており、数字の書いてある子ども以外のキャラクターにもそれぞれのストーリーがあります。何回やっても色々な発見ができ、繰り返し学ぶことができます。
(9)大人も学ぶことができる
子どもだけでなく大人も、様々な災害や、災害時の危険な行動や有効な行動を、学び、発見することができます。子どもに教えることを通じて、改めて気づかされることや、ハッとする発見を掴むことができます。
「ぼうさいまちがいさがし きけんはっけん!」教材のダウンロードはこちら
青少年赤十字防災教育プログラム『まもるいのち ひろめるぼうさい』(小・中・高校生向け)
まもるいのち
自分のいのちを守る力を身につけること。
ひろめるぼうさい
学校、地域、家庭に防災を広めることで、防災意識を高め、周りの命を救うこと。いのちの大切さ、思いやる心を育てること。
自然災害に向き合ってきた日赤と現場の教員が提案する「授業ですぐ使える防災教材」をこの一冊にまとめました。
児童・生徒が主体的に防災に取り組めるよう、「気づき、考え、実行する」力を重視。
「自然災害の正しい知識」「自ら考え、判断し、危険から身を守る行動」を災害ごとに選択できる映像教材や「思いやり、優しさ、いのちの大切さ」「コミュニケーション力」「想像力」を育むテキスト教材・資料を収録しています。
「青少年赤十字防災教育プログラム『まもるいのち ひろめるぼうさい』 (小・中・高校生向け)及び英語版教材のダウンロードはこちら 」
「いのちの大切さ」を学びます
青少年赤十字防災教育プログラム『まもるいのち ひろめるぼうさい』は以下の内容で構成されています。
また、東日本大震災で被災した子どもたちのインタビューや作文、支援活動に携わったボランティアの体験談などを取り上げ、「思いやり、優しさ、いのちの大切さ」を学ぶことができます。
- 「自然災害の正しい知識」「自ら考え、判断し、危険から身を守る方法」を災害別に学ぶことができるDVD(映像)とワークシート
- 児童・生徒が主体的に取り組めるような「気づき、考え、実行する」力をを重視した、コミュニケーション力や想像力などを養うグループワークプログラム
『まもるいのち ひろめるぼうさい』活用の様子
青少年赤十字防災教育プログラム『まもるいのち ひろめるぼうさい』を活用した授業の様子を取材しました。YouTube日本赤十字社公式チャンネル、または下記よりご覧ください。
全学年のカリキュラムに防災教育を組み込み、教科横断的に防災教育が進められています。
「救援物資を運べ!」の授業が実施され、災害時、自分のみならず周囲の命を守る方法を学習しました。
年に2回実施している校内避難訓練の中で本教材の地震災害のワークシートが使われました。
荒川区では、各中学校に防災部が設置され、防災意識を高めるための取り組みが進められています。
英語の授業で、ALTの先生と一緒に日ごろの災害の備えを学ぶ授業が展開されました。
「竹ひごタワー(ペーパータワー)」を用いて、コミュニケーションの大切さを学ぶ授業が実施されました。
『まもるいのち ひろめるぼうさい』教材の詳しい内容
学ぶことができる自然災害
- 地震災害・津波災害
- 風水害(台風、豪雨、雷、竜巻)
- 雪害
- 火山災害
CD-Rに収録したグループワーク向け教材
- コミュニケーション力などを養う「防災コミュニケーションワークショップ(BCW)
- 実際に起こった災害事例に基づいて、考える力や想像力を養う「自分だったらどうする」
特典映像
- 広瀬弘忠氏(東京女子大学名誉教授)が教員のための「エキスパートエラー」を解説
- 藤森和美氏(武蔵野大学教授)が、児童・生徒が取り組むことができる「こころと体がリラックスする呼吸法」を紹介
- これから防災を学ぶあなたへのメッセージ
資料映像
- 津波災害の映像(提供:岩手県宮古市)
- 津波のシミュレーションCG映像(提供:三重県)
- 土石流の映像(提供:長野県木曽郡南木曽町 国土交通省)
- 火山噴火の映像(御嶽山)
映像教材の仕様
- 日本語字幕、副音声を収録
- チャプターで選択し、災害別に学ぶことができます
- 小学生用(1-3年生)と(4-6年生)はアニメキャラクターが内容を紹介
- 小学生用(4-6年生)と中学生用・高校生用は、ジャーナリスト・池上彰さんの解説と女優・伊藤歩さんのナビゲーションを収録