中毒

食中毒

 調理してから食べるまでに時間がたった食物や、生の食品が細菌で汚染されると、増殖した細菌そのもの、または細菌の出す毒素が中毒の原因となります。これを食中毒といいます。

症状

  • 腹痛、おう吐、下痢で始まり熱が出る。
  • ボツリヌス菌中毒では、眼球、喉、食道の筋肉麻痺などの神経系の症状として、物が2つに見えたり、飲み込むことや、呼吸ができなくなったりする。

手当

  • おう吐・下痢がある場合は脱水を防止するため、嘔吐を誘発しないように水分を少量ずつ頻回に与えます。
  • おう吐物が気管に入らないような体位(回復体位)をとらせます。
  • できるだけ早く医師の診療を受けさせます。
    ※おう吐物や便などは医師に見せます。

事故防止

清潔
  • 食品をよく洗います。
  • 手洗いを十分に行います。
  • 手指にきずがある場合は素手で調理せずビニール手袋などを使います。
  • まな板・包丁・布巾などは消毒と乾燥を行います。
調理
  • 食品は十分に加熱してから食べます。
  • 調理後はすぐ食べるようにし、室温放置を避けます。
保存
  • 冷蔵庫内の温度は5℃以下に保ちます。
その他
  • 家族で下痢をしている者がいたら、シャワー浴とするか、最後に入浴させます。

ガス中毒

自動車の排気ガス、天然ガス、液化石油ガス(プロパンガスなど)、一酸化炭素、亜硫酸ガス、塩素、シンナー、石油化学製品のほか、新建材その他が燃焼して発生する有毒ガスなどの吸入によって起こります。
また、火山や温泉地で発生する火山ガスを吸い込むことで火山性ガス中毒を起こすことがあります。

症状

  • 気分が悪くなり、あくびが出て、頭痛、めまい、吐き気を起こす。
  • 手足がしびれて動けなくなる。
  • 有毒ガスを吸い込むと気道閉塞を起こす場合がある。
  • 重症になると、意識障害を起こし、呼吸が停止し、死に至ることもある。
  • すぐに意識が戻り、症状がなくなっても、数日あるいは数週間後に、記憶障害など神経症状があらわれることがある。

手当

  • 直ちに119番通報します(意識がはっきりしていて症状が治まっても、できるだけ早く医師の診療を受けさせます)。
  • 新鮮な空気のところに傷病者を運び出し、衣類をゆるめます。
    ※意識があっても、歩かせてはいけません。
    ※体を起こしたり、ゆすったりすると、吐くことが多いので、静かに運びます。
  • 保温します。
  • 反応(意識)がなければ、一次救命処置の手順により手当を行います。

事故防止

  • 暖房器具や調理器具、各種スプレー類などを室内で使用する際には、窓を開けて常に室外の新鮮な空気を取り入れてガス中毒の予防に心がけます。
  • 火山や温泉地などで、火山性ガスの危険を知らせる柵や看板などに注意します。また、一定の濃度を超えた場合は、危険を知らせるアナウンスが流れますので、安全な場所に移動します。

薬物中毒

医薬品で中毒を起こし、手当が必要になる例の主なものは、鎮静睡眠薬(精神安定薬を含む)や解熱鎮痛剤などです。化学薬品には、化粧品、洗剤、塗料や接着剤からの揮発性物質などがあります。

症状

  • 健康であった人に急にさまざまな症状が現れる(頭痛、吐き気、おう吐、下痢、腹痛、呼吸困難、血圧低下、意識レベルの低下、けいれんなど)。
  • 唇や口の周りのただれや、吐く息のにおいの異常など。

手当

  • 傷病者が飲んだ薬品の容器に中毒に対する注意書があったら、その指示に従います。
  • 原則として、水や牛乳を飲ませたり、吐かせることはしません。

反応(意識)がないとき

  • 気道を確保します。
  • おう吐物などが気管に入らないよう、回復体位をとらせます。
  • 保温します。
  • 普段どおりの呼吸がない場合は、一次救命処置の手順により手当を行いますが、二次事故を防ぐため、人工呼吸は実施せず、胸骨圧迫だけを行います。

注意事項

  • 反応(意識)がないときは、直ちに119番通報します。
  • 反応(意識)があるときは、119番、医療機関あるいは日本中毒情報センターに電話して指示を受けます。
  • 医療機関に搬送するときは、薬品の容器や傷病者のおう吐物を持って行きます。

連絡先

大阪中毒110番:072-727-2499(毎日24時間、年中無休)
つくば中毒110番:029-852-9999(毎日9~21時、年中無休)
たばこ誤飲事故専用電話:072-726-9922(毎日24時間、年中無休、自動音声応答による情報提供)
公益財団法人 日本中毒情報センター